旧斎藤家住宅稲荷社
旧斎藤家住宅稲荷社(きゅうさいとうけじゅうたくいなりしゃ)
平成29年(2017)6月28日登録
一宮町一宮 個人所有
斎藤家は明治時代以降、鰹節を中心とする海産物問屋でした。
斎藤家からは約5,000点もの古文書が発見され、『一宮町旧斎藤家文書調査報告』(東上総文化遺産総合活性化事業、2016年)にて一部が活字化されています。
建物は旧斎藤家の敷地の北東、土蔵と主屋の庭の間に南面して建っています。一間社流造で、組物は二手先詰組とし、間に彫刻を飾ります。脇障子、脇羽目板の彫刻のみならず、身舎妻飾に雲の紋様、板支輪にも波の紋様が施されています。向拝も木鼻を獅子、中備を龍の彫刻が飾っています。向拝の龍の彫刻には、「南総夷隅郡 新田野村 彫工 長谷川三之輔 作之」と刻印があり、彫刻は現いすみ市にいた長谷川三之輔という彫工の作だとわかります。
建築年代は主屋と同時期の明治30年(1897)頃と推定されています。
▲外観
▲東側彫刻
▲「長谷川三之輔」の刻銘